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「攻略法を使わない」という攻略法


私が書いた『新TOEIC TEST 「正解」一直線』の第1部「正解ナビ」ではパートごとの攻略法を説明しました。しかし、攻略法は万能ではありません。みなさんの中にも攻略法を使わない方がうまく解ける、攻略法を使うとスコアが下がってしまうという人がいるはずです。

TOEICで一番大切なこと
TOEICはリスニング力とリーディング力を測る英語の試験です。よって、受験の際、一番大切なことは以下の2つです。

リスニング・セクション:聞いて理解する
リーディング・セクション:読んで理解する

「聞くこと」と「読むこと」を意識の中心に置くというアプローチがスコアを上げるために一番有効ではないかと最近思います。攻略法を使うことに意識が向いてしまい、「聞くこと」「読むこと」に正面から取り組むことを妨げるのであれば、それは問題です。
例えばパート3・4の先読み。意識が3つの質問、答えを導くために必要な情報、選択肢、次の会話・トークに対する質問の間をめまぐるしく移ります。非常にあわただしく、流れてくる英語の音声を落ち着いて聞くことができません。それは「聞いて理解する」ことが妨げられてしまうことを意味します。
例えばパート7の「答えを出すのに必要な部分だけ読む。関係ない部分は読まない。」という戦法。「読んで理解する」ということを真っ向から否定しています。実は本文を読まずに「この部分は答えに関係ある、ここは関係ない。」という判断をするのは難しいことで、「ここは関係ない」と思っていた部分が本当は重要だったということも起こります。素直に前から順番に読んだ方が文書全体を把握できるので、早く正確に答えが選べるということが多くあります。また、知らない語句が出てきた場合も文脈を頼りに意味を予想することができます。

攻略法を使わないで解く
攻略法を使わない場合、基本的にテストの指示(Directions)にしたがって解き進めます。ポイントは以下の通りです。

リスニング・セクション

1.各パート、指示文が流れている間は目を閉じて音声を聞く。写真を見たり(パート1)、質問を読んだり(パート3・4)しない。
指示文の英文はもう知っている内容なので、100%理解できます。それを聞くことで「流れてくる英文が100%理解できる!」というポジティブな精神状態で問題に挑むことができます。また、指示文を聞くことが耳のフォームアップにもなります。

2.パート3・4は目を閉じて聞き、頭の中で内容をイメージする。
目を閉じて聞くことで、聴覚が鋭くなります。また、目から入ってくる集中力を妨げる要因を遮断することにもなります。会話・トークの内容を基に頭の中でイメージを作りましょう。そうすると内容が記憶に良く残ります。

3.パート3・4は質問の読み上げに合わせて解き進める。
会話・トークが終わると、質問が音声で読み上げられます。そのタイミングで目を開き、音声に合わせて質問を読みます。音声の助けがあるので質問が良く理解できます。先読みを使うやり方ですと、読み上げられる質問と別のところを目で追っているので、音声は妨げでしかありません。先読みをしないやり方だと音声による読み上げがプラスに作用します。音声読み上げの後に8秒間のポーズがあります。この時間で選択肢を選びます。会話・トークが理解できていれば、8秒で答えが選べるはずです。答えがわからない場合は「なんとなくこれがよさそうだ」と感じるものを選んでください。音声に集中して会話・トークを聞くとこの勘がさえます。8秒かからずに答えが選べたときは、そこで目をつぶり、深呼吸をします。そして次の質問が読み上げられるのを待ちます。そうすることで適度な休みがとれ、集中力が最後まで持ちます。右ページの終わりでもGo on to the next page. と言われるのをまってページをめくります。次のページに移るのをあえて遅らせることで心のゆとりが生まれます。

リーディング・セクション

1.基本的に全部読む。
前から順番に全部読んで問題を解きます。唯一の例外は指示文(Directions)です。問題形式はあらかじめわかっているので説明を読む必要はありません。気をつけることは解くスピードです。ゆっくり読んでいると時間が足りなくなります。できるだけ早く読むようにしてください。

2.パート5・6は文頭から読む。
選択肢から先にチェックするのではなく、文頭から読んでいきます。そして空欄の位置に来たところで選択肢を見ます。そこまでの流れがあるので、文脈が助けとなり楽に選択肢が選べます。もし選べなかったら、空欄の後ろに続く部分に目を通して考えます。それでもまだ答えがわからないときは、「これがよさそうだ」と感じるものを選びます。常に時間を意識して、早く解き進めることを忘れずに。

3.パート7は文書を読んでから解く。
「設問を先に読み、答えを導くのに必要な情報のみを本文中から検索する」のではなく、文書を最初から最後まで素早く読んで、その後に質問を見た方が早く正確に解けます。知らない語句が出てきた場合も文脈があると予想しやすくなります。部分的に目を通すよりも、全体を通して読んだ方が理解しやすいものです。文書を読んだ後、質問を見てすぐに答えが選べたら、次の質問に移ります。また、すぐに答えが選べず、文書を見直す必要がある場合もあります。そんなときでも一度全体を読んであるので、必要な情報を楽に見つけることができます。

このように攻略法を使わずに素直に問題に向かうことの利点がたくさんあります。ただし、この方法が合うか合わないかは人によって違います。中には「パート3・4は攻略法どおりに先読みをやったほうがいいけど、パート7は攻略法を使わず、全部読むやり方が合う」なんていう人もいるはずです。みなさん、模擬テストを使って両方のやり方を試してみてください。そして自分に合ったやり方を見つけてください。ベストな解き方は人それぞれですから。

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テーマ:TOEIC - ジャンル:学校・教育

コメント
この記事へのコメント
だからやめられない
TOEIC解答手法に関する神崎先生の熱いメッセージ、いつも興味深く拝見しております。

私は、リスニングPart3、4は、先読み派です。長年ずっと、このスタイルで受験し続けているので、先に聴くべきポイントを把握しておかないと、逆に不安です。リーディングも、全文読んでいたら、時間内には解答しきれないので、基本的にピンポイントでパッパッと処理します。

英語の実力が上がれば、自然と、この「攻略法を使わない」攻略法に行き着くのだろうなぁ、と思います。TOEICスコアにもA~Eランクがあるように、TOEIC解答手法における最高ランクが、この「神崎メソッド」ではないでしょうか。

何事もそうですが、TOEICも奥が深いですね。受験すればするほど、新たな視点や興味が生まれます。だからやめられません。今後の受験で少しずつアレンジしながら、私も、「自分に合ったやり方」を模索しようと思います。

PS:ブログを始めました。リンクを貼らせていただいてもよろしいでしょうか?
2008/08/05(Tue) 12:05:45 | URL | Azurite #.iQQC.0k[ 編集]
神崎先生こんにちは。いつも真摯なご意見を楽しみに拝見しています。
139回のTOEICでは900超えをめざしましたが、以前よりスコアが落ちて840(L425,R415)となってしまいました(129回865、04年12月IP880、125回825)。
800を超えたあたりから攻略法で点数を上げるのは無理だと感じています。今回はヒロ前田先生の「3回攻略法」を実践した上(この方法自体はいいものだと思います)でのテストでしたが、時間を急ぐあまりRの時間が15分以上余るなどどうも上手く機能しませんでした。結局正攻法に戻るべきなんでしょうか。次へのモチベーションがあがらずに悩んでいます。
2008/08/05(Tue) 13:49:43 | URL | えび #-[ 編集]
設問の先読みについて
私は、7月の公開テストを受けましたが、パート3、4で設問を先読みすべきかで迷ってしまい、解ききれませんでした。(マークはしました。)初心者だと聞き取れても、聞き終わった後に記憶に残らないという傾向があるようです。
また、「TOEICテスト新・最強トリプル模試3」のパート2、パート7は最高でした。ありがとうございました。
2008/08/05(Tue) 15:24:06 | URL | victim #-[ 編集]
前回のTOEICで、無理に先読みしない&Readingはすべて読むを実践しました。
すごく快適だったのでこの方法を続けたいと思いますが、
自分でやりながら思ったのはある程度の速度で読めないと、
これは機能しないのではないか?ということです。
一定スピードに達していない場合、最後の問題にたどり着かない気がします。
(その場合は「捨て」になるのでしょうか)
受験者のレベルごとにこの解法のアジャストの仕方や心構えを確認したほうが
良いのではという気がします。
ただ、慌ただしくなくリラックスして問題と向き合えるというメリットは
大変価値があると思います。
改訂版の正解一直線、楽しみにしています。
2008/08/05(Tue) 17:52:34 | URL | mika #Pn1Qvjxc[ 編集]
>Azuriteさん

コメント、ありがとうございます。
先読みに慣れていると、先読みでやるほうがやりやすいかもしれません。
先読みに私が反対しているのは、先に質問を読むことで、気が質問に向いてしまい、音声に集中できない可能性があるからです。
もし、先読みするやり方でも音声に集中できるのであれば、問題ありません。
人それぞれ合うやり方があります。
仮に英語のレベルが低い方でも、先読みに向いている人と向いていない人がいると思います。
英語力が低いと短時間で質問を読んで理解するのは無理です。
音声を聞く前に混乱した状態、不安な精神状態に陥る可能性があります。
そういう状況ではリスニングに集中できないと思います。
なのであえて、先読みをやめてリスニングに集中したほうがいいのではというのが私の提案です。
先読みしないやり方で落とす問題は先読みしても落とすのではないかと思います。
今度、実験してみたいです。

ブログ、始められたんですね。connecting the dotsというのはSteve Jobsのスピーチから取ったのでしょうか。リンク、大歓迎です。今日はちょっと外なので、明日、家に帰ったら私の方にも貼らせていただきます。
どうぞよろしくお願いします。


>えびさん

コメント、ありがとうございます。
800点をすでに超えているので、おそらく全部読んでもリーディングセクションは時間内に終わりますよ。
正攻法(攻略法を使わないやり方)でいけると思います。
模擬テスト等を使い、試してみてください。
特にパート7は全部読んだほうが解きやすいですよ。
900点突破目指してがんばってください。
応援します。


>victimさん

コメント、ありがとうございます。
聞き取った内容を基に頭の中にイメージを描く、動画を映し出す、そうすると記憶によく残るし、聞き取れないところを想像力で補うのに役立ちます。試してみてください。

トリプル模試、使っていただき、ありがとうございます。ポジティブなコメントをいただけて、大変うれしいです。今後ともよろしくお願いします。


>mikaさん

先読みをしないやり方、実際に試してくださったんですね。ありがとうございます!
「快適だった」というご報告を聞けてうれしいです。
仰るとおり、リーディングのスピードが遅い人は苦しいかもしれません。
でも、そういう人は先読みするやり方でも苦しいので、結局同じかなとも思いますが。
ある程度の英語力がないと最後まで終わらすことは難しいです。
先読みをしたほうがいいかどうかは英語力と同時に性格も大いに関係してくると思います。
たとえば、同時にたくさんのことを要領よくてきぱきこなせる人は先読み向きだと思います。
ひとつのことに集中しないとできない人は先読みは向かないと思います。

正解一直線の改訂作業、進行中です。
秋には出ますのでどうぞよろしくお願いします。

2008/08/06(Wed) 18:27:30 | URL | 神崎正哉 #-[ 編集]
次はDSで!
電話でもお話ししましたが、次はDSでお願いします。DSだと先読みモードと先読みなしモードに切り替えるなど、色々と出来ると思います。ご検討ください。
2008/08/07(Thu) 05:21:52 | URL | toeicmaniac #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008/08/08(Fri) 09:56:02 | | #[ 編集]
攻略法について
 神崎先生、こんにちは。興味深く読ませていただきました。
 最近の神崎先生は、小手先のテクニックだけを教えるTOEIC技術を中心にした講師ではなく、TOEICに限定しない"英語そのもの"の深さや面白さを伝える方向に転換されたように思われます。
 私は英語の初学者ですが、英語そのものを深めることに興味を持ってはいます。しかし、これはずいぶん時間のかかることだと思います。楽しみながら辛抱強く続ける一方で、TOEICはTOEICの技術も磨いていきたいと考えています。
 最近、神崎先生のお陰で英語について考える機会が増えました。英語はまだ苦手ですが、少しずつ好きになり、学ぶことが楽しくなってきました。
 「英語」についてと「TOEIC」について別なのか,同じなのかというスタンスがあるように思いますが、私はこれについて同時平行で進めていきながら将来的に統合できることができれば良いと考えています。
 非先読みや先読みについては、まずTOEIC模試で両者を試してみたいと思います。
  




 
2008/08/09(Sat) 08:18:05 | URL | ASA #mQop/nM.[ 編集]
>toeicmaniac

そうですね。DSいいですよね。
企画の話があったら是非やりたいと思います。
先読みできないように設定できるのでよい練習になります。

>ASA

先読みをするやり方が合っているか、それともしないやり方がいいのか実際に試して決めるのが理想です。
人によって向き不向きがありますから。
仰るとおり、英語力を伸ばすには時間がかかります。長期計画でがんばってください。
TOEICの点を上げるには試験技術よりも問題になれるという部分が大きく影響すると思います。
事前に模擬問題をたくさん解き、問題のパターンに慣れておくことをおすすめします。
2008/08/09(Sat) 22:37:59 | URL | 神崎正哉 #-[ 編集]
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